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biboudouのブログ

書籍・音源備忘録 最終的にはそれぞれに索引・クレジットまで作成予定

1993年 橋本治他『さよなら妖精 AUDREY HEPBURN Good-bye,Fairy』 KKベストセラーズ

オードリー・ヘプバーン追悼本

巻頭に「この世には愛よりも大切な”自由”がある。オードリーはそれを教えてくれたんだ。」と題し執筆。

一部引用:

この世には愛よりも大切な”自由”っていうものがあってさ、それは非常に誇り高くってさ、普通の人間には分かられにくくってさ、だからこそヘタすれば怒りっぽくなったり気むずかしくなったり理屈っぽくなったり真面目なだけになったりするんだけどさ、そんなもん、実はみィーんな、ウソなんだ。ホントに自由だったら平気でチャランポランに生きていけるもん。そういうことを”魅力的”っていうんだってことを、今から25年前に、オードリー・ヘプバーンのホリー・ゴライトリーは教えてくれたのさ。50ドルのイブニングにサングラスかけて。

おんなじアパートに住んでるホリーがあんまり自由で魅力的だったもんだからさ、いい加減でみっともない男だったポールは、金持ち女と手ェ切って、真面目に働こうとしたのさ。ポールのタイプライターが全然使われてないってことを発見しちゃったホリーが、冗談半分イヤミ半分で、彼にタイプライターのインクリボンをプレゼントしたもんだからさ。「あ、僕、なんか大切なもん忘れてた」っていう風に(多分)彼は思ったんだよね。

勿論ここで僕の言う”大切なこと”っていうのは”働く事”なんかじゃない。「カタギじゃなかったら冗談やってても恥ずかしいわよ」っていう、そういうことね。それが一番大切なことだし、冗談のない人生なんて”ただのフォニー-ニセモノのガラクタ”なんだからね。

でね、今から25年前にホリー・ゴライトリーという女性は非常に魅力的だったのさ。男なんて、多かれ少なかれみんなどっかで”ポール”だからね。言われるままに働くってそんなことだし、世の中だってそんなもんだし。何かにたかって生きてったって、それでも十分に”真面目な人生”だってことに、真面目なだけの人間て案外気づけないんだよね。別に”男妾”やってない普通の男だってさ、「あ、自分はなんか目的見失ってたな」って思うんだ。そんでそういう時にね、”チャランポラン”としか真面目な人間には言ってもらえないような”自由”っていうものはさ、ホントに切実で大切なもんなのさ。

でね、今の女の人はみんな働いてるんだ。男と結婚して生活不安みたいの考えなくていいことになってたって、それでもやっぱり「あ、自分はなんか大切なもん忘れてる・・・」とか、思うのさ。これ、25年前の”ポール”でしょ?ね♡

 

大切なことって、実はすごいへんなことなんだ。だから往々にして、人間ていうのは”大切なこと”っていうのがなんだったのか忘れてしまうんだよね。大切なことっていうのは、ひょっとしたらとんでもなくバカらしいカッコしてるかもしれないじゃない?女の人って、カッコウに気ィ使うわりに、そういうことに気がつけないんだよね(カタギになっておしゃれしなさいね♡)。

引用終

 

そのほか、清藤秀人さんの文章も。